鎌田東二ゼミ

 

戦争と文学―中島敦・安部公房・遠藤周作の植民地体験
(全3回)

 

東日本大震災が起こった後、「諸行無常」を謡う鴨長明の『方丈記』がよく読まれた。ロシアによるウクライナ侵攻と戦争が続く中、もっと読まれるべき筆頭の作家はまもなく没後30周年・生誕100周年を迎える安部公房(1924‐1993)だと思う。安部は東京で生まれたが、生後1年に満たない内に満州にわたり、奉天で幼少期を過ごし、1943年に東京帝国大学医学部に入学し、1948年に東京大学医学部を卒業したが、医師免許を持たず、父のようには医師にならなかった。その安部公房の文学と植民地政策や戦争の傷跡を検証していくために、今回は朝鮮・京城で幼少期を過ごした中島敦(1909-1942)と満州の大連で幼少期を過ごした遠藤周作(1923-1996)の二人を対称軸に据えて考えてみたい。幼少期に植民地支配と戦争を見てきた彼らがどのような文学を創り上げたか、そこから戦争と文学の問題を考えてみたい。


鎌田東二 Kamata Toji

宗教哲学者、京都大学名誉教授、天理大学客員教授。徳島県阿南市生まれ。國學院大學大学院文学研究科神道学専攻博士課程修了。NPO法人東京自由大学初代理事長。京都大学こころの未来研究センター教授を経て、現在は上智大学グリーフケア研究所特任教授・放送大学客員教授・京都大学名誉教授。著書に『神界のフィールドワーク』、『他者の言葉:折口信夫』(村井紀との共著)、『聖なる場所の記憶:日本という身体』、『宗教と霊性』、『世直しの思想』、『言霊の思想』、『講座スピリチュアル学』(企画・編集 全7巻)など。


概要

【オンライン開催】
日程  
第1回:5月22日
(日)
    
第2回:6月12日(日)

    第3回:6月18日(

時間  14:00~16:00

受講料(各回)
    一般:2000円

    会員:1500円

    学生:1000円

    学生会員:500円
※見逃し配信は、オンライン参加のお申し込みをされた方全員に対し、講座終了後から数日内に、YouTubeの限定公開のリンクをお送りいたします。


お申し込み

※この講座は終了いたしました