身体と霊性 Ⅲ
第2回:「生命科学と身体の未来」
大澤真幸
人間の身体に対する生命工学な改造技術の発達によって、ごく一部の人間がホモデウス(超人間的な能力をもった人間)へと転換し、かつてないほど徹底した格差社会が到来するかもしれない、と予言されている。そこに出現するのは、もはや人間の内部での階級格差ではなく、人間と人間を超えた者との間の種間格差である、と。このような格差は、グローバル資本主義の最終的な延命措置としてもたらされると予想されている。だが、どうだろうか。資本主義は、生命への工学的介入を利用することでほんとうに長く生き延びることができるのだろうか。
大澤真幸 Osawa Masachi
社会学者。1958年、長野県松本市生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。思想誌「THINKING『O』」主宰。著書に『行為の代数学:スペンサー=ブラウンから社会システム論へ』『文明の内なる衝突: 9.11、そして3.11へ』『ナショナリズムの由来』(毎日出版文化賞受賞)、『現代宗教意識論』『〈世界史〉の哲学』『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎との共著、新書大賞)、『夢よりも深い覚醒へ』『ゆかいな仏教』(橋爪大三郎との共著)、『日本史のなぞ:なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか』など。
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(終了いたしました)
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