書物と知 Ⅳ

 

第1回:「神話と民俗学―折口信夫から石坂洋次郎へ

三浦雅士×鎌田東二 

戦後民主主義の代名詞と見なされる映画『青い山脈』。その原作者・石坂洋次郎は、1950年代から60年代にかけ、小説が刊行されると同時に映画化されるほどの流行作家でした。批評家の三浦雅士さんは、石坂文学の成り立ちを<母系制の神話>と<民俗学>から読み解き、「本格的に見直され、読み直されなければならない作家」と語ります。女が決定権を持つ作品世界には、折口信夫から直接受けた教え、柳田国男からの影響、宮本常一と網野善彦に先駆ける歴史認識が見て取れます。今回は、再評価の機運が高まる石坂文学の魅力に迫るべく、『石坂洋次郎の逆襲』(講談社)を刊行した三浦さんにお話を伺い、対談では宗教哲学・民俗学に造詣の深い鎌田東二さんが聞き手を務めます。


三浦雅士 Miura  Masashi

批評家。1970年代に『ユリイカ』『現代思想』を編集。80年代から批評家に。著書に『私という現象』、『メランコリーの水脈』(サントリー学芸賞)、『小説という植民地』(歴程賞)、『身体の零度』(読売文学賞)、『青春の終焉』(伊藤整賞、芸術選奨文部科学大臣賞)、『考える身体』、『漱石――母に愛されなかった子』、『出生の秘密』(芸術院賞、恩賜賞)など。近著に『孤独の発明』『石坂洋次郎の逆襲』『スタジオジブリの想像力』などがある。1991年に月刊『ダンスマガジン』を創刊、現在は顧問。

鎌田東二 Kamata Toji

宗教哲学者、京都大学名誉教授、天理大学客員教授。徳島県阿南市生まれ。國學院大學大学院文学研究科神道学専攻博士課程修了。NPO法人東京自由大学初代理事長。京都大学こころの未来研究センター教授を経て、現在は上智大学グリーフケア研究所特任教授・放送大学客員教授・京都大学名誉教授。著書に『神界のフィールドワーク』、『他者の言葉:折口信夫』(村井紀との共著)、『聖なる場所の記憶:日本という身体』、『宗教と霊性』、『世直しの思想』、『言霊の思想』、『講座スピリチュアル学』(企画・編集 全7巻)など。


概要

日程  2022年4月10日(日)

時間  14:00~16:30

受講料 【オンライン(見逃し配信あり)】
    一般:2500円

      会員:2000円

    学生:1500円

    会員学生:1000円
※見逃し配信はオンライン参加のお申し込みをされた方全員に対し、講座終了後から数日内に、YouTubeの限定公開のリンクをお送りいたします


※この講座は終了いたしました